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便宜上、上の漫画の舞台はアイランド設定にしたけれど、"2"にはどうしても暗さがある。背景を考えると、純粋にお祝いしにくくなってしまう。"1"のメンバーが学園に閉じ込められても全員生存している設定の方が、まだしも明るい。"2"を芯から明るく描こうとすれば、完全にパラレルにするか、過去でやるしかなさそうだ。 人間の顔は、左半分に本音が、右半分に建前が表れるという。それを意識したつもりが、単に同じ向きばかりの顔漫画になってしまった。"2"十神の中に御曹司スイッチがあって、それをオン・オフしているといいな、と思いながら描いた。 誕生日は「所詮単なる設定」だけど、人が設定したものならきっと意味があるはずだ、と推測したくなる。5月5日はこどもの日。"1"十神の子供っぽさから来たものかなぁ。 勝利にだけこだわる人は、子供っぽく見える。それを稚気に終わらせず、現実のものとするからこそ、"1"十神は超高校級なのだろうけど。 "1"十神には裏表がない。ある種ロンパシリーズでも屈指の、単純なキャラクターだと思う。自分が助かるためなら人を殺すというのも本音。推理小説を読んでオリジナルのトリックを考えているというのも、おそらく本当。何もそこまで口に出して言わんでも。 事件がつまらないと思えば、細工を施して複雑にしてしまう。良く言えば、実に言動が一致している。しかしよりによって"1"の2章みたいなことを見事にやり遂げてしまった。成功者として嫌われるなら、"1"十神にとってはきっと本望だろうけど……。  悪辣なのは"1"十神で、善良なのは"2"十神かもしれない。ただ、それでも、性格がまっすぐなのは"1"の方だよ。"2"の方が圧倒的にひねくれていて、複雑なものを抱えている。 "2"十神が、"1"十神を「イケメンでイヤミ」と認識しているのは興味深い。顔や体型はともかく、性格がトレースできていないことを、"2"十神は自覚している。わかっていてもできない誠実さがまずあるのだろうけど、わかっているけどやらない計算高さも読み取りたい。この辺、だいぶ妄想になってくるので、7月学トラで十神本出します。はい。 隙のある人は好かれやすい。架空のキャラクターなら、なおさらそうだろう。端正な顔立ちで、権力を持ち、頭が切れ、しかも悪どい"超高校級の完璧"には、かませメガネとなるしか愛される道はなかったのか。――と言ってみたものの、別にそんなことはないだろう。この辺もたぶん十神本で書く。 「いいから強制シャットダウンだ！」の一言で、健在を示した"1"十神。良くも悪くもぶれやしない。どうぞあなたはそのままで。  |